关于本卷
たとえその母が、にせものだとしても――。 いつものことである、はずだった。 アマナとともに「どうも呪われているらしい」という廃屋を訪れた撫子は、 子を求めるという怪異・姑獲鳥を斃す。 だが不思議なことにその骸は行方知れずで、自宅に帰った撫子が出逢ったのは。 「――おかえりなさぁ~い!」 「……えっ?」 見知らぬ「お母さん」だった。 生まれながらに親を焼かれた獄門撫子には居るはずもない母が、 いかにもお母さんといった風情でそこにいる。 撫子が斃した姑獲鳥の残滓であるらしい彼女は、 しかし全身全霊で撫子を愛そうとし、母を知らぬ撫子は戸惑うばかり。 やがて消えるはずなのに撫子に愛を与える「ウバメ」の在りようを、 アマナは『残酷な仕打ち』だと糾弾するが、 彼女もまた、ままならぬ想いにとらわれていた。 悩める彼女たちを嘲笑うように、人の域を外れた聖者達の野望が動き出す。 聖地・天橋立を舞台に、この世の秩序さえ作りかえることができるという大霊祭。 心を捨て去ろうとする者たちと対峙する中、互いへの想いゆえにすれ違う撫子とアマナ。 やがて冷たい海に墜とされる撫子に、いとしき怪物が差し出すものはーー。 うつくしくもおそろしい少女鬼譚、愛する人への想いが結ぶ、第五巻。
本系列
5 卷
